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集中治療

mRS0-2のための脳卒中栄養管理とリハ実践 (1/2) -

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第44回 日本脳卒中学会学術集会 ランチョンセミナー 2-5(LS2-5)

日 時
2019年3月22日(金)12:00~13:00
会 場
パシフィコ横浜 会議センター 3F 311+312

講演内容のポイント

  • 乳清ペプチド消化態流動食(高たんぱく質)と半消化態流動食(PHGG配合)を組み合わせるプロトコールにより、リハビリテーションに必要なエネルギーとたんぱく質を早期に充足することができた。
  • 嘔吐、下痢などの消化器症状が減少し、リハビリテーションの実施が阻害されにくい可能性を有する。
  • 脳卒中急性期に生じる体重減少が少なかった。

登壇者

  • 座 長
    埼玉医科大学国際医療センター 脳卒中外科 栗田 浩樹 先生
  • LS2-5-1
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
    脳神経外科 小野寺 英孝 先生
  • LS2-5-2
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
    リハビリテーション部 最上谷 拓磨 先生

mRS0-2のための脳卒中栄養管理とリハ実践

LS2-5-1
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
脳神経外科 小野寺 英孝 先生

脳卒中患者の経腸栄養前期には消化態流動食が有用

近年、脳卒中診療では治療の成否のみならず、中長期的な予後が重要視されるようになり、その指標として90日後mRS(modified Rankin Scale)0-2が求められるようになりました。予後を改善するためには、急性期からの栄養療法が重要です。

流動食には多くの種類があり、肝臓や腎臓の疾患では専用の製品が使われますが、脳卒中専用の製品は現在のところありません。脳卒中患者は腸管機能が正常であることより重要視されてこなかった歴史があります。しかし、正常である腸管機能を維持し、嘔吐、下痢、便秘を抑制し、さらに急性期の生体侵襲と早期リハビリテーションの消耗にも耐えうるものが脳卒中に適した流動食と考えます。

当院では半消化態流動食1回100mLを1日3回投与から開始し、胃内残量、便秘、嘔吐、下痢の4項目をクリアした場合、投与量を増やすというプロトコールで栄養療法を行っていました。この旧プロトコールにより、経腸栄養開始後1~2週の体重減少は抑制されましたが、開始4週時点の体重は発症前の約91%に減少していました。また、経腸栄養前期は嘔吐や胃内残量の増加といった上部消化管の問題、後期は便秘や下痢といった下部消化管の問題が多くなることがわかったため、旧プロトコールを見直すこととしました。

脳卒中患者には嘔吐が多くみられます。これは、①頭蓋内圧亢進に伴う自律神経系を介した消化管運動の低下とともに、②クッシング潰瘍や抗血小板薬内服時のアスピリン潰瘍予防で用いられるプロトンポンプ阻害剤(PPI)の影響も無視することはできません。PPIは胃酸の分泌を抑制し、胃中のpHを上昇させます。胃中のpHが上昇すると、たんぱく質の分解酵素であるペプシンの活性が抑制されることから1)胃中のたんぱく質の分解が阻害されます。これにより流動食が胃内に滞留し、嘔吐につながると考えられます。